日々諸々
H21年1月30日登録
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10/24にUPしたTEXTのその後を書きたくなったので小噺にします。続きへ
どうぞ。
拍手ありがとうございました。励みにしつつこれからもがんばります!
どうぞ。
拍手ありがとうございました。励みにしつつこれからもがんばります!
「ヅラ~。飯ィ~」
「ヅラじゃない…。飯でもない…。桂だ…」
気だるい声を出したら、消え入りそうな声で決まり文句が返ってきた。
「そうじゃなくって。腹減ったって言ってンの」
「俺は腹は減ってはおらぬ。というか食欲など全くない。というより気持
ち悪い」
本当に気分が悪いらしく、億劫そうに答える桂。
「ええーッ。銀サンは朝飯食いたいンですけどォ」
「自分で何か用意したらよかろう。とにかく俺は動けぬ。というか水を持
ってきてくれないか? 銀時」
「てめェが飯作ってくれたら水持ってきてやってもいいぜ」
「馬鹿者。動けないから頼んでいるのであろう。飯の用意ができるくらい
なら、水だって自分で飲みにいくわ」
朝からしっぽりいってしまった二人は、汗やら何やらを流すために風呂に
入った。そこでお約束のように桂がボケて銀時がツッコミ、手桶湯桶を使
った攻防やら湯に沈め合ったりやらと、いい年こいてアンタらナニやって
んですかの大騒ぎになった。気付いた時には結構な時間が過ぎていて、湯
に浸かりすぎた二人はすっかり逆上せ上がってしまった。ヨロヨロと風呂
場から這い出して、どうにか単衣をまとうとゴロリと畳に転がって動けな
くなること小一時間。
だるくて動きたくない銀時だったが、腹が減ってきたのも事実。だから訴
えてみたものの、連れ合いは全く動ける気配なし。
「もーアレだな。おめェアレだ。朝チョメも朝風呂もやめろ。碌なことに
なンねェから。身上が潰れなくてもてめェが潰れてちゃどーしょもねェ」
「その言葉、そっくりそのままバットで打ち返してくれる」
「だァかァらァ。今日はてめェからちょっかい出してきたンじゃねェか」
だるいわ、熱いわ、腹は減るわ、桂にはイラッとくるわで銀時は腐る。
「銀時…。水…。み…水をくれ…」
「ダーーーッ!! ヤメテそういう言い方。砂漠で水を求めてる人が今に
も死にそう的な演出するのはヤメテ」
「否…。死にそうなのだ本当に…。今湯飲みに一杯の水を飲まなければ、
俺は死ぬ…」
胸を押さえて苦しそうに身悶える桂。銀時のこめかみに青筋がたつ。
「ウゼェェェェッッッ!! もう勝手に死んでろ! 俺だってなァ。まだ
クラクラするンだよ。頭だって痛ェんだよ。だけど腹も減ったンだよ。な
のにてめェが飯作ンねェから我慢してやってるンだよ。だからてめェも水
くらい我慢しやがれってンだバカヤロー!!」
大声を出したらぐらっと視界が回った。うううと呻いて頭を押さえる。
「知っているか? 銀時。人は飢えより乾きの方が堪えるのだ。故におま
えよりも俺のほうが重症なのだ。だからおまえが動け。水持って来い」
「なに偉ッそうに命令してンの? ぜってーイヤだ。俺だって動けねェ」
「俺も動けぬ」
「俺もですゥ」
顔を見合わせて睨み合う。こんな時、どうしてこんなやつが自分の連れ合
いなのだろうと互いに思う。
「それでは譲歩しよう銀時。水を飲ませてくれたら朝飯の用意をしよう。
これでどうだ?」
「飯の用意が先。そしたら水飲ましてやる」
「飯の用意をするより水を持ってくるほうが容易いではないか」
「それもしたくねェ。なんか悔しいじゃん。負けた気がするじゃん。てめ
ェの言うこと先に聞いちまったら」
「なんだその言い草は。貴様は童か? どんな負けた気だ?」
「なんだっていいだろ。とにかくてめェより先に動くのは気に入らねェン
だよ」
「俺だって貴様より先に動きたくない」
こうなったらただの意地の張り合いだ。ぐるるると毛を逆立てるように睨
み合う。そしてどちらともなくバタリと畳に伏した。
「ああ~。腹減った~」
「水…。水…」
屍のように転がりうわ言のように呻き続ける。
帰宅したエリザベスが畳でへばっている二人を見つけるのは午後のことだ
った。
「ヅラじゃない…。飯でもない…。桂だ…」
気だるい声を出したら、消え入りそうな声で決まり文句が返ってきた。
「そうじゃなくって。腹減ったって言ってンの」
「俺は腹は減ってはおらぬ。というか食欲など全くない。というより気持
ち悪い」
本当に気分が悪いらしく、億劫そうに答える桂。
「ええーッ。銀サンは朝飯食いたいンですけどォ」
「自分で何か用意したらよかろう。とにかく俺は動けぬ。というか水を持
ってきてくれないか? 銀時」
「てめェが飯作ってくれたら水持ってきてやってもいいぜ」
「馬鹿者。動けないから頼んでいるのであろう。飯の用意ができるくらい
なら、水だって自分で飲みにいくわ」
朝からしっぽりいってしまった二人は、汗やら何やらを流すために風呂に
入った。そこでお約束のように桂がボケて銀時がツッコミ、手桶湯桶を使
った攻防やら湯に沈め合ったりやらと、いい年こいてアンタらナニやって
んですかの大騒ぎになった。気付いた時には結構な時間が過ぎていて、湯
に浸かりすぎた二人はすっかり逆上せ上がってしまった。ヨロヨロと風呂
場から這い出して、どうにか単衣をまとうとゴロリと畳に転がって動けな
くなること小一時間。
だるくて動きたくない銀時だったが、腹が減ってきたのも事実。だから訴
えてみたものの、連れ合いは全く動ける気配なし。
「もーアレだな。おめェアレだ。朝チョメも朝風呂もやめろ。碌なことに
なンねェから。身上が潰れなくてもてめェが潰れてちゃどーしょもねェ」
「その言葉、そっくりそのままバットで打ち返してくれる」
「だァかァらァ。今日はてめェからちょっかい出してきたンじゃねェか」
だるいわ、熱いわ、腹は減るわ、桂にはイラッとくるわで銀時は腐る。
「銀時…。水…。み…水をくれ…」
「ダーーーッ!! ヤメテそういう言い方。砂漠で水を求めてる人が今に
も死にそう的な演出するのはヤメテ」
「否…。死にそうなのだ本当に…。今湯飲みに一杯の水を飲まなければ、
俺は死ぬ…」
胸を押さえて苦しそうに身悶える桂。銀時のこめかみに青筋がたつ。
「ウゼェェェェッッッ!! もう勝手に死んでろ! 俺だってなァ。まだ
クラクラするンだよ。頭だって痛ェんだよ。だけど腹も減ったンだよ。な
のにてめェが飯作ンねェから我慢してやってるンだよ。だからてめェも水
くらい我慢しやがれってンだバカヤロー!!」
大声を出したらぐらっと視界が回った。うううと呻いて頭を押さえる。
「知っているか? 銀時。人は飢えより乾きの方が堪えるのだ。故におま
えよりも俺のほうが重症なのだ。だからおまえが動け。水持って来い」
「なに偉ッそうに命令してンの? ぜってーイヤだ。俺だって動けねェ」
「俺も動けぬ」
「俺もですゥ」
顔を見合わせて睨み合う。こんな時、どうしてこんなやつが自分の連れ合
いなのだろうと互いに思う。
「それでは譲歩しよう銀時。水を飲ませてくれたら朝飯の用意をしよう。
これでどうだ?」
「飯の用意が先。そしたら水飲ましてやる」
「飯の用意をするより水を持ってくるほうが容易いではないか」
「それもしたくねェ。なんか悔しいじゃん。負けた気がするじゃん。てめ
ェの言うこと先に聞いちまったら」
「なんだその言い草は。貴様は童か? どんな負けた気だ?」
「なんだっていいだろ。とにかくてめェより先に動くのは気に入らねェン
だよ」
「俺だって貴様より先に動きたくない」
こうなったらただの意地の張り合いだ。ぐるるると毛を逆立てるように睨
み合う。そしてどちらともなくバタリと畳に伏した。
「ああ~。腹減った~」
「水…。水…」
屍のように転がりうわ言のように呻き続ける。
帰宅したエリザベスが畳でへばっている二人を見つけるのは午後のことだ
った。
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