日々諸々
H21年1月30日登録
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大晦日の話の続きです。昨日書ききれなかったので今日になりました。
つづきからお入りください。
拍手ありがとうございました。小噺を楽しんでいただけたなら幸いです。
つづきからお入りください。
拍手ありがとうございました。小噺を楽しんでいただけたなら幸いです。
深夜と言っても元旦。初詣をしようという人々で神社は賑わっていた。
「結構人来てますね。やっぱり元旦ですものね。参拝したくなりますよね」
新八、神楽、お妙は参拝客に混ざって参道を歩いている。
「またゴンゴン聞こえるネ。また受験生が頭を打ち付けているアルカ? 年が明けたら頭を打ち付けるのが受験生アルカ?」
「そうよ神楽ちゃん。年が明けたら試験はすぐ始まるのよ。だから頭を打ち付けて気合を入れているのよ」
「神楽ちゃん違うからね。去年も言ったけど、受験生の頭の音じゃないからね。姉上も変なこと言わないで下さいよ。これは除夜の鐘と言って百八ある人間の煩悩を払うために打ち鳴らす鐘なんだよって聞いてねーし」
新八が薀蓄を語っている間に神楽とお妙はさっさと先に行っていた。
「アネゴォ。私には百八の鐘じゃ足らないね。私はもっとたくさんの煩悩があるネ。そんなセコい女じゃないアルヨ。鐘ごときで消し去る事はできないアル」
「そうね神楽ちゃんは大きな心を持っているから百八じゃ足らないわね。いいのよ消し去らなくても。煩悩はその人の願いでもあるから、それをかなえるために一生懸命にやればいいのよ。神楽ちゃんならきっとできるわ」
「そうアルか? それなら私万事屋の仕事がんばるヨ。それでビッグになってパピーと宇宙に行くアル」
「あらあら神楽ちゃんの煩悩は宇宙規模なのね」
微笑ましい会話をしている二人に新八が追いついた。
「ちょっと二人とも。置いていかないでくださいよ」
「あら新ちゃん。はぐれてたの?」
「いえ。はぐれたってことのほどでもないですけど」
「とろくせェヤツアルな。さっさと付いて来いよ」
「勝手に行ったのはアンタたちでしょーが」
「あ、銀ちゃんだ」
ツッコむ新八を無視して神楽が声を上げた。
「え? 銀さん?」
参拝客に見え隠れしながら、見慣れた白い頭、見慣れた流水紋が入った着物が見えた。
「本当だ。銀さんだ。銀さんも初詣に来てたんだね」
「ちょっと待って。一人じゃないみたいよ」
お妙が言うのに見てみれば、銀時の隣に人がいる。同じ調子で歩いているところを見ると連れらしい。
「ヅラアル。銀ちゃんといっしょにヅラもいるアル」
まっすぐな長い髪に藍の着物。
「桂さんなの? 髪が長いし女の人じゃないの?」
「ううん。あれはヅラアル。ヅラは私の部下ヨ。私が見間違うはずないアル」
お妙の問に神楽は自信たっぷりに答える。
「姉上。あの人は確かに桂さんですよ。それに銀さんが初詣に女の人と来るような甲斐性があるわけないじゃないですか」
「新八ィ。あの二人驚かしてやるヨロシ」
「いいね神楽ちゃん」
新八と神楽は早足になって人の間を抜けて行った。
「銀ちゃん! ヅラ!」
「銀さん! 桂さん!」
銀時と桂の前に回りこむ。
「うわーっととっ。なんだおめェらか。驚かすなよ」
あーびっくりしたと銀時。
「おお。新八君にリーダー。ここで会うとは奇遇だな」
「お二人も初詣に来てたんですね」
桂は云と頷き二人に優しく笑いかけた。
「新八君。リーダー。明けましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします」
桂が新年の挨拶をすると、新八と神楽も口々に挨拶をした。
「銀ちゃんもおめでとうアル」
「おー。おめでとさん。神楽ァ、新八ィ今年も一つよろしく頼まあ」
「こちらこそよろしくお願いします」
お妙も追いつき、皆で神殿へと歩き始めた。
新八と神楽はひそひそと話している。
「銀さん蕎麦屋に行くなんて言ってたけど、本当は桂さんのところに行ってたんだね」
「今頃ナニ言ってるアルカ。私は最初っからそうだと思っていたネ。おまえは気付くのが遅いアル。だから新一じゃなくて新八なんだヨ。神様に新一になれますようにってお祈りするヨロシ」
「何度も言ってるけど、僕は新八だから。去年も今年も来年もずっとその先も新八だから」
神殿の前でお賽銭を投げ、五人揃って拍手を打ち、それぞれの願いを祈った。その後、お炊き上げの火に当たりながら甘酒を飲んだ。
神楽は桂と新八を相手に楽しそうに話をしている。そこにお妙も加わり賑やかだ。今年がどんな年になるかはわからないが、ただ一つ、今までと変わりなく騒々しい一年になることは間違いなかった。
「結構人来てますね。やっぱり元旦ですものね。参拝したくなりますよね」
新八、神楽、お妙は参拝客に混ざって参道を歩いている。
「またゴンゴン聞こえるネ。また受験生が頭を打ち付けているアルカ? 年が明けたら頭を打ち付けるのが受験生アルカ?」
「そうよ神楽ちゃん。年が明けたら試験はすぐ始まるのよ。だから頭を打ち付けて気合を入れているのよ」
「神楽ちゃん違うからね。去年も言ったけど、受験生の頭の音じゃないからね。姉上も変なこと言わないで下さいよ。これは除夜の鐘と言って百八ある人間の煩悩を払うために打ち鳴らす鐘なんだよって聞いてねーし」
新八が薀蓄を語っている間に神楽とお妙はさっさと先に行っていた。
「アネゴォ。私には百八の鐘じゃ足らないね。私はもっとたくさんの煩悩があるネ。そんなセコい女じゃないアルヨ。鐘ごときで消し去る事はできないアル」
「そうね神楽ちゃんは大きな心を持っているから百八じゃ足らないわね。いいのよ消し去らなくても。煩悩はその人の願いでもあるから、それをかなえるために一生懸命にやればいいのよ。神楽ちゃんならきっとできるわ」
「そうアルか? それなら私万事屋の仕事がんばるヨ。それでビッグになってパピーと宇宙に行くアル」
「あらあら神楽ちゃんの煩悩は宇宙規模なのね」
微笑ましい会話をしている二人に新八が追いついた。
「ちょっと二人とも。置いていかないでくださいよ」
「あら新ちゃん。はぐれてたの?」
「いえ。はぐれたってことのほどでもないですけど」
「とろくせェヤツアルな。さっさと付いて来いよ」
「勝手に行ったのはアンタたちでしょーが」
「あ、銀ちゃんだ」
ツッコむ新八を無視して神楽が声を上げた。
「え? 銀さん?」
参拝客に見え隠れしながら、見慣れた白い頭、見慣れた流水紋が入った着物が見えた。
「本当だ。銀さんだ。銀さんも初詣に来てたんだね」
「ちょっと待って。一人じゃないみたいよ」
お妙が言うのに見てみれば、銀時の隣に人がいる。同じ調子で歩いているところを見ると連れらしい。
「ヅラアル。銀ちゃんといっしょにヅラもいるアル」
まっすぐな長い髪に藍の着物。
「桂さんなの? 髪が長いし女の人じゃないの?」
「ううん。あれはヅラアル。ヅラは私の部下ヨ。私が見間違うはずないアル」
お妙の問に神楽は自信たっぷりに答える。
「姉上。あの人は確かに桂さんですよ。それに銀さんが初詣に女の人と来るような甲斐性があるわけないじゃないですか」
「新八ィ。あの二人驚かしてやるヨロシ」
「いいね神楽ちゃん」
新八と神楽は早足になって人の間を抜けて行った。
「銀ちゃん! ヅラ!」
「銀さん! 桂さん!」
銀時と桂の前に回りこむ。
「うわーっととっ。なんだおめェらか。驚かすなよ」
あーびっくりしたと銀時。
「おお。新八君にリーダー。ここで会うとは奇遇だな」
「お二人も初詣に来てたんですね」
桂は云と頷き二人に優しく笑いかけた。
「新八君。リーダー。明けましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします」
桂が新年の挨拶をすると、新八と神楽も口々に挨拶をした。
「銀ちゃんもおめでとうアル」
「おー。おめでとさん。神楽ァ、新八ィ今年も一つよろしく頼まあ」
「こちらこそよろしくお願いします」
お妙も追いつき、皆で神殿へと歩き始めた。
新八と神楽はひそひそと話している。
「銀さん蕎麦屋に行くなんて言ってたけど、本当は桂さんのところに行ってたんだね」
「今頃ナニ言ってるアルカ。私は最初っからそうだと思っていたネ。おまえは気付くのが遅いアル。だから新一じゃなくて新八なんだヨ。神様に新一になれますようにってお祈りするヨロシ」
「何度も言ってるけど、僕は新八だから。去年も今年も来年もずっとその先も新八だから」
神殿の前でお賽銭を投げ、五人揃って拍手を打ち、それぞれの願いを祈った。その後、お炊き上げの火に当たりながら甘酒を飲んだ。
神楽は桂と新八を相手に楽しそうに話をしている。そこにお妙も加わり賑やかだ。今年がどんな年になるかはわからないが、ただ一つ、今までと変わりなく騒々しい一年になることは間違いなかった。
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