小噺

かもしれない運転から小噺です。続きからどうぞ。


拍手ありがとうございました。銀ちゃんのお誕生日を皆さんとお祝いできて嬉しいです。

会合所から飛び出した桂は、ぷんぷん怒りながら大股で歩いていた。

なにが夏ソナはもう古いだ。何がチャンガムだ。俺がどんなに苦労して夏ソナを見たかも知らないで。流行に遅れているような言い方をしよって。


DVDを借りるには、その店の会員にならなければいけないらしい。そして会員になるには運転免許証が必要らしい。だから自動車教習所に行ったのに、『アンタは免許取るの無理、むしろ取らないで下さい」と言われてしまった。あんなに一生懸命に教習をしたのに何たる言い草、何たる仕打ち。
免許が取れないとなると、レンタル屋の会員になれない。そうなると皆が話題にしていた夏ソナを見ることができない。党首として皆の話題についていけないのは困る。どうしようかと思っていたら、免許証再発行となった銀時が言った。

「なーヅラ。俺BUTAYAの会員になってるぜ。そんなにDVD借りたいなら俺が借りてやろうか？」

ヅラじゃない桂だ。はさておき。さすがに銀時。銀時は運転免許証を持っているからレンタル屋の会員にも当然なっているのだな。

「それなら頼む。銀時。夏のソナタという話を見たいのだ」
「夏ソナァ？　おめェにしちゃ珍しいモン見たがるじゃん」
「いや。大変良い話だと聞いたのでな」

会合で夏ソナの話題についていけなかったとは言えない。

「ふーん。まあなんでもイイや。俺が借りてやっからこれからBUTAYAに行こうぜ」
「おお銀時。かたじけない」

桂は心底ありがたく思い御礼を言った。そしたら銀時がにへらと笑った。

「俺が借りてやるんだからな。おめェに貸しだぞ」
「借りか。それは仕方がないな。おまえに手数をかけるのだから。何を返せば良いか？」

甘い物か飯か酒か？

「おめェはDVDプレーヤー持ってないだろ？　だから俺んちで見ろよ。そんで夏ソナを見ながら俺の相手をしてくれればいいから」
「そんなことで良いのか。お安い御用だ。それでは早速BUTAYAへ行こう。いざ夏ソナだ」

意気揚々と店へ行き、無事に夏ソナ一巻目、二巻目を借りる事ができた。


その夜。銀時に連れられて万事屋へとやってきた。銀時は神楽を新八の家に行かせた。神楽もいっしょに夏ソナを見ようと思っていた桂はそれを不思議に思い問うと、夏ソナは大人の話だから神楽にはまだ早ェ。それに神楽が寝ているそばでDVDを見たらうるさいだろと言われてそういうものかと納得した。

銀時がディスクをセットして、画面に画像が流れ始めた。おおこれが夏ソナか主演の俳優はなかなか良い男ではないか、でももう少しワイルドなほうが俺は好きだなとか、女優も美人だが人妻の色香には及ばないななどと思いながら見ていた。

隣に座る銀時が髪を触ったり引っ張ったりしていたが、いつものことと気にもせずDVDを見ていたら、いきなり袖の中に手を入れられて、腕をすうっと撫でられた。それも気にせずいたら、今度は肩を抱き寄せられ、襟の袷に手を忍ばせてきた。

「こら銀時。ちょっかいを出すな。集中して見れないであろう」
「んー。ヅラ君は夏ソナ見てていいンだよ。俺は俺で勝手にやってるンだから」
「見てて良いと言ってもこうちょっかいを出されては見ずらいぞ」

嗜めても銀時の手は止まらない。着物の中を這って乳首に触れた。ピクンと体が震える。

「こら銀時」
「イイからイイから」
「良くない。手を出せ触るな」
「貸しっつったろ？　だから今返してもらってンだよ」
「何？」

銀時は黒い髪を払うと首に吸い付いた。

「あっ。銀時…」
「ほーら。こンなのに気を取られちゃダメでしょ。おめェはテレビに集中しなさい」
「そんなこと言ったって…」

銀時の悪戯は止まらない。気付けば帯を緩められ着物もはだけられていた。テレビ見てろよと言いながら、勝手に準備を整えていく。

「テレビ見れるカッコでヤるからな。しっかり見とけよ」
「こっこんな借りの返し方があるかァァァッッッ！！！」

銀時は自分の膝に向こう向きに桂を跨らせる。一つになると後から揺さぶった。行為の間中、テレビでは夏ソナの主演二人がラブストーリーを繰り広げていた。



「くそお。銀時め。思い出しても腹が立つ。何が借りを返してもらっただ。人の弱みに付け込んでやりたい放題やりおって」

本当に苦労して見たのだ夏ソナを。それでもやっと話題に加われると思っていたら、時代は既に次のものに移っていた。

「今度は銀時には頼まぬ。また貸しだとか抜かして何をされるかわからんからな」

それでもチャンガムの裸体を見なければならない。今度こそ自分で会員になってDVDを借りるのだ。

「ふん。俺の身分証明なら町中いたるところにあるわ。お上発行の証明書だ」

桂は手近な掲示板に近寄ると目当ての物を見た。ぴりぴりと丁寧にはがした。

「俺の指名手配書だ。これほど俺の身分を証明している紙はなかろう」

桂は指名手配所を片手にまっしぐらにレンタルビデオ店に向かった。




ヅラが苦労して夏ソナを見たって言っていたので、どんな苦労をしたのかなーと考えて。いっしょにいた銀ちゃんがなにもしないわけないと思ってこんな話を思いつきました。

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教習所

本日のよりたまさん。Bパートでヅラ大活躍。

教習のパートナーがヅラだと知って嫌がる銀ちゃん。その割には俺コイツのことは良く知ってンだぜとデレていたような。コイツクソ真面目だからとか、攘夷浪士おまえとか言って。この「○○おまえ」という言い方は、インストラクターの話でも出てきましたね。「バカなのおまえ」と言っていた。攘夷浪士はおまえだろ、とか、おまえがバカと言うよりも、俺コイツのツレだからコイツのことは何でも知ってるからと言う感じが伝わってくるんですけど。

そしてヅラの妄想炸裂。プリズンブレイクでした妄想と双璧だと思っているんですけど、こんなツレを持った銀ちゃんは大変だ。でもそれも含めてヅラだから、銀ちゃんはそれで良いのでしょう。

結局免許を取れなかったヅラ。でもあなたには徒歩が似合っているような気がする。


拍手ありがとうございました。銀ちゃんのお誕生日SSを今年も書けて本当に良かったです。

以下、メッセージへのお返しです。


本日、08:36に下さった方へ。

いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございました。銀誕SSを読んでくださりありがとうございました。こちらのジャンルに来てキャラのお誕生日に話を書くということができ嬉しく思っています。
銀ちゃんは甘い物が好きなので、栗ご飯とか好きかなと思いました。子供の頃の習慣を大人になってもやる。これは付き合いが長い銀ちゃんとヅラにしかできません。お互いの誕生日を祝いながら、末長く添い遂げてくれれば良いと私も思います。
このたびはメッセージをありがとうございました。これからもがんばりますので、またお運びくださいませ。

更新 銀誕記念

銀ちゃんお誕生日おめでとうーーーvvv
今年も銀ちゃんのお祝いができてとっても嬉しいです。銀ちゃん大好きだ。おめでとうおめでとう。

ということで、銀ちゃんお誕生日記念SSの更新です。さっきまで書いていてようやく終わりました。間に合って良かった～。

今回の話は、子供の頃の回想と現在の話が交互に出てきます。ヅラは当人よりもお誕生日に気合入ったんじゃないかなー。この二人は子供のころからお互いが特別です。恋愛じゃなくても、特別な存在だと無意識に思っていただろうと思います。お誕生日は欠かせない日だったでしょう。

そして私の悪い癖。作中で栗ご飯栗ご飯と書いていたら、栗ご飯食べたくなっちゃった。栗って皮剥くのがたいへんだからなあ。でも今は剥き栗の冷凍物もあるんですよね。それで作ってみようかな。


拍手ありがとうございました。いつもながらありがたいと思っています。

お誕生日前夜

明日は銀ちゃんのお誕生日、そしてイベントがあるんですね。お誕生日を祝ってプチオンリーもあるそうで。楽しそうだな～。私は行きませんが、サークル参加される方も、一般参加の方も楽しんできてくださいね。お天気は良くないようですが…。

そしてイベントに参加しない私は、ネットの片隅でお祝いです。銀誕SSをせっせと書いています。まだ終わっていない。がんばらなくちゃ。間に合えば良いですが、無理なら書けたところからUPしようと思っています。今日、明日仕事なのがちと痛い。

後、なにか甘い物、宇治銀時丼は無理だから、チョコパフェっぽいものでも用意してお祝いしようかな。


拍手ありがとうございました。いつもご訪問くださり感謝しています。一番の励みになっています。

36巻

36巻で印象に残ったのは、晋助と神威の話とさっちゃんの話です。

晋助と神威はどこか似ているんでしょうか。二人とも属する集団があるのに、その中にいるのに、それを率いているのに、なんとなくはぐれ者の匂いがする。部下、仲間からは信頼されているけれど、本人は自分しか信じていないような。晋助は世界を壊す事を目的とし、神威は夜兎族の本能に従い殺戮を求める。暴力と血の世界。なんかとってもやるせない。

それにしても晋助があそこまで銀ちゃんを殺そうとするのは、なんでなんだろう？　やっぱり攘夷を捨てて、時代の波に上手く乗っかって日々安穏と過ごしているのが気に入らないのかしら。松陽先生を裏切ったと思っているのかしら。晋助登場時、ヅラには何もしなかったけれど、銀ちゃんには殺意むき出しだったし、紅桜ではヅラが穏健派になったと知るや、春雨に売ろうとしてたし。晋助は自分の考えに同調しない人は、たとえ幼馴染みでも、戦で苦労を共にした人でも殺してしまうのかな…。

そしてさっちゃんの話。目が見えなくても、銀ちゃんからもらった眼鏡を捨てられないさっちゃんがいじらしい。思いがけず全蔵さんも出てきて嬉しかったのことよ。次巻に続くなので、さっちゃんがどうなるのか気になります。


拍手ありがとうございました。いつもやる気の源になっています。